個人の確定申告

【簡単まとめ】
個人事業主向けに確定申告をわかりやすく解説

確定申告をしなきゃいけないんだけど、何をしたらいいかわからないなぁ……

前田税理士

確定申告は義務だから一定以上の売上がある個人事業主は必ずやらなければいけないのですが、よくわからないから結局できていないっていう人も実は多いですね

そうなんですよ。やる気はあるんですけど、どうしたらいいかわからなくて困ってしまうんです。控除とか、白色申告とか、青色申告とか……、結局どうやったら損をしない形でしっかりと申告、納税ができるんですか?

前田税理士

では今日はそんなあなたのために、個人事業主向けの確定申告について簡単に、わかりやすく解説をしていきましょう!



ということでこの記事では、個人事業主向けの確定申告を「簡単にわかりやすく」をモットーに解説していきます。

確定申告について、不安や疑問を抱いている個人事業主(フリーランス)の方は非常に多いです。

たとえば、

「確定申告ってどうやってやればいいの?」
「青白申告と白色申告っていうけど、自分はどちらでやればいいの?」
「確定申告で損しないためにはどうすればいいの?」
「確定申告をしないとバレる? バレない?」
「確定申告をしないとどうなるの?」

などなど、さまざまな声があります。 しかしいざ自分で調べようとすると、「なんだかややこしくてうんざり……」となってしまう方もかなり多いですよね。

だからこそ今回の記事では、これらの不安、疑問に対して、簡単に分かりやすく、それでいてきっちりお答えしていきます。

確定申告は、ちゃんと理解したうえで行わないと損をしてしまうものです。
実際、申告の仕方によって10万円以上多く税金を支払ってしまっているという人もいます。

もし確定申告に不安を感じているなら、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

※注
実は今回の記事をより読み込んでほしい職種があります。それが建築関係(たとえば一人親方など)です。というのも実は、建築関係は税務調査が入りやすい業界として有名なのです。そのため、もしあなたが建築関係の個人事業主であるなら、ぜひとも今回の記事をしっかりと読み込んでおいてください。

個人事業主にとっての確定申告とは?

前田税理士

個人事業主にとっての確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)の事業収支や自身の所得を国に申告することです

そもそも個人事業主はどうして確定申告をしなきゃいけないんですか? 会社員のときは別にそんなことしなくても良かったのに……

前田税理士

会社員の場合は会社が代わりに申告をしてくれるからです。個人事業主の場合はその会社に所属していないので、自分で申告しなければ国があなたの所得を把握できません。つまり、いくら税金を徴収すればよいのかがわからなくなってしまうのです

なるほど……。その申告を意図的にやらなかったりごまかしたりすると、所得隠しの脱税ってことになってしまうんですね?

前田税理士

そのとおりです!



このように確定申告は、事業の収支や自身の所得を国に伝えるための非常に重要な手続きです。

日本国民には納税の義務があるので、この確定申告をやらずに納税を逃れてしまうと、「脱税」、つまり「犯罪になってしまいます。
個人事業主にとっての確定申告は、とても重要な業務の1つだと言えるのです。

確定申告が必要な個人事業主とは?

個人事業主であれば、全員が確定申告することを私はおすすめしています。

義務という意味で話をすれば、個人事業主で確定申告が必要となるのは「所得額から各種控除を差し引いた数字が0よりも大きくなる場合」のみです。
簡単に言えば、納めるべき税金がある場合ですね。

ただし青色申告なら赤字繰り越しができるなど、まとまった収益がない場合でも「確定申告をすることでメリットが得られるケース」があります。

そのため基本的には、「個人事業主であればもれなく確定申告をした方が良い」と考えておくべきです。

確定申告の影響を受けるもの

確定申告によって影響を受けるのは、主に以下のようなものです。

  • 所得税
  • 健康保険料
  • 住民税

これらの徴収額が確定申告によって算出されます。
基本的には所得が多いほど多く徴収されるということですね。

しかし実は、これら直接的なもの以外にも、実生活で影響を受けるものというのが多々あります。

たとえば個人事業主が賃貸契約を結ぼうとした場合、確定申告書の写しを要求されることが多いです。これは本当に収入があるのか、どれくらい収入があるのか、ということを証明するために必要となります。

そして賃貸以外にも、確定申告書の写しを要求されるケースというのは結構あるのです。
たとえばほんの一例ですが、「ローンを組みたいとき」や「保育園や幼稚園の無償化を活用したいとき」などが挙げられますね。

つまり確定申告を正確にやっていなければ、日常生活のなかで困ることがたくさん出て来てしまうということです。

このように確定申告は、税金や社会保険料だけでなく、あなたの生活そのものにも大きな影響を与えてきます。

だからこそ確定申告は正確に行う必要があるということですね。

個人事業主にとって青色申告と白色申告はどちらがお得?

前田税理士

青色申告をするべきか、白色申告をするべきか、で迷う人も多いですが、青色申告ができるなら断然青色申告がおすすめです!

そうなんですか? 正直、青色とか白色とかっていうのがよくわからなくて……。よく聞くのは、青色申告の方が得だけど申告が大変で、白色申告だと楽に申告ができるって感じですけど

前田税理士

その認識は、半分正解で半分間違いですね。最近は白色申告でも帳簿付けの義務があるため、実際はそこまで大きく手間は変わりません。それでも青色申告をすれば大きな節税効果を望むことができるのは事実です。それではここから、青色申告と白色申告の違いを簡単に、わかりやすく説明していきましょう



申告する所得が事業所得、不動産所得、山林所得であった場合は、青色申告をすることができます。
ちなみに普通に仕事をしてお金をもらっているという人は事業所得になるので、あなたが個人事業主であればほぼ青色申告ができると思っていただいて問題はありません。

ただ気になるのが、「結局青色申告と白色申告で何が違うの?」というところですよね。
そこで、青色申告と白色申告の違いをわかりやすく表にまとめましたので、そちらを確認してみてください。

白色申告 青色申告
事前申請 不要 必要
帳簿付け 必要(単式簿記) 必要(単式簿記or複式簿記)
確定申告書類 収支内訳書(2ページ)
確定申告書B
青色申告決算書(4ページ)
確定申告書B
特別控除 なし あり(最大65万円)
赤字繰り越し 不可 可能(3年間)
家族への給与の経費化上限 配偶者860,000円
生計を同一にする親族50万円
上限なし

ここから読み取れるのは、「帳簿付けや確定申告書類にかかる手間が増えるかわりに、特別控除や赤字の繰り越し、給与を経費にするときの上限がなくなるといったメリットが受けられる」ということですね。

そしてここで言いたいのが、帳簿付けや確定申告書類にかかる手間は確かに増えるものの、受け取れるメリットに比べればわずかであるということです。

とくに昨今は、確定申告ソフトも充実してきたことから、実はそこまで手続きの手間に差が生まれなくなっています。

そもそも白色申告の方が楽だと言われていたのは、帳簿付けの義務がなかった平成26年以前の話です。
現在では提出義務こそないものの、白色申告でも帳簿付けはしておかなければいけないと定められています。

つまり総合的に考えれば、白色申告と青色申告にそこまで大きな手間の差はないと言えるわけですね。

そのうえで青色申告をすれば、最大で65万円もの特別控除を受けることができます。

だからこそ確定申告は、青色申告が圧倒的におすすめなのです

青色申告で受けられる特別控除

青色申告をすると特別控除が受けられるという話をしましたが、実は同じ特別控除でも条件によって、10万円、55万円、65万円、と控除額に差が生じてきます。

どのような条件でこれらの差が生じるのかを説明していきましょう。

まず青色申告をして、かつ以下の4つの要件をすべて満たしている場合は「55万円 or 65万円控除」となり、満たしていない場合は「10万円控除」となります。

  1. 不動産所得、もしくは事業所得を生む事業を営んでいること
  2. 複式簿記で記帳していること
  3. 現金主義ではないこと
  4. 記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を添付して法定申告期限内に提出すること

これらの要件に加え、さらに以下の条件を満たしていれば「65万円」の特別控除、満たしていなければ「55万円」の特別控除が受けられるようになります。

・e-Tax による申告(電子申告)もしくは電子帳簿保存を行うこと

(参考:国税庁_青色申告特別控除)

それではそれぞれの条件について、わかりやすく解説していきましょう。

不動産所得、もしくは事業所得を生む事業を営んでいること

青色申告ができるのは「事業所得、不動産所得、山林所得」の3種類の所得についてであると前述しましたが、55万円以上の特別控除を受けることができるのは「事業所得、不動産所得」に限られています。

山林所得の場合は10万円の特別控除しかうけられないということですね。

複式簿記で記帳していること

55万円以上の特別控除を受ける場合、帳簿を単式簿記ではなく複式簿記で記帳を行わなければなりません。

山林所得の場合は10万円の特別控除しかうけられないということですね。

ちなみに単式簿記と複式簿記の違いは以下のとおりです。

単式簿記

単式簿記とは、1つの項目に対して1つの勘定科目で記載する方法です。

たとえば「2月13日に仕入れで10,000円の現金を使った」という場合には、以下のよう記載します。

このように、単純に仕入れに10,000円使ったという書き方をするわけですね。

複式簿記

一方複式簿記の場合、1つの項目に対して2つの勘定科目で記載をします。

単式簿記と同じ例を複式簿記で書くと以下のとおりです。

このように、「10,000円分の仕入れを行った」ということと「10,000円の現金を使った」ということを分けて書きます

ちなみに複式簿記で記帳をする場合、左側に「借方(かりかた)」、右側に「貸方(かしかた)」を書いてください。

・借方 → お金の使い道
・貸方 →支払のために調達したお金

例で説明すると、「10,000円分の仕入れを行った」が「借方」で、「10,000円の現金を使った」が「貸方」ということですね。

さらに複式簿記の例を挙げてみましょう。

このような形ですね。
ちなみに複式簿記で帳簿をする場合、この借方と貸方の合計は必ず一致することになります。

複式簿記については言葉で説明すると難しく感じるかもしれませんが、最近は確定申告用のソフトが充実しており、ややこしいところは自動で入力されるため、実際にやってみると意外と簡単ですよ。

現金主義ではないこと

会計処理の方法には「現金主義」と「発生主義」の2種類があり、55万円以上の特別控除を受けるためには「発生主義」を採用する必要があります。

この2つの違いは以下のとおりです。

現金主義 現金が実際に動いた時点のみ記帳をする
発生主義 支出・収入の発生が確定した時点でも記帳をする(売掛金、買掛金など)

簡単に言うと、「帳簿に現金の動きだけでなく、支出・収入の発生まで記帳するのが発生主義である」ということですね。

青色申告で55万円以上の特別控除を受けたい場合は、この「発生主義」で記帳を行わなければいけません。

記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を添付して法定申告期限内に提出すること

55万円以上の特別控除を受けるためには、以下の2つの書類を法定申告期限内に提出しなければいけません。

1.損益計算書(P/L) 会社の収益と費用の損益計算をまとめた財務諸表
2.貸借対照表(B/S) 決算日における資産、負債の内容が記載されている財務諸表

正直この説明を見ても、それぞれどんな書類なのかイメージが湧きにくいかと思います。

ただ、これらの書類についても確定申告用のソフトを使えば自動で作成されるはずなので、とりあえず「2つの書類を用意して期限内に提出する」ということだけ意識しておけば問題はないでしょう。

e-Tax による申告(電子申告)もしくは電子帳簿保存を行うこと

2020年度より、55万円控除から65万円控除にするためには「電子申告」もしくは「電子帳簿保存」が必要となりました。

まず確定申告の電子申告は、以下の「e-Tax」から行うことができます。

e-Tax

e-Taxで申告を行うためには「電子証明書」の取得や「開始届出書」の提出といった事前準備が必要となるので注意して下さい。

一方「電子帳簿保存」とはその名のとおり、一定の要件のもとで帳簿を電子データのまま保存することです。
帳簿を電子データで保存すれば、保管や確認の手間が省けますね。

ただしこの電子帳簿保存については、実施する3ヵ月前に届出を出しておく必要があります。
詳しい説明は国税庁のHPに記載されているので、そちらをご確認ください。

国税庁_[手続名]国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請

このどちらかをすれば青色申告の特別控除がさらに10万円上乗せされる(55万円 → 65万円)ことになるので、ぜひ実施するようにしましょう。

結局青色申告ならどれくらい税金が減るのか

とりあえず青色申告をした方が得だっていうのはわかりましたけど、結局のところ支払う税金で言えばどれくらい安くなるんですか?

前田税理士

そうですね。では、白色申告で課税所得が500万円になる人が青色所得の特別控除65万円を受けると所得税がどうなるのか、シミュレートしてみましょう!

ということで、白色申告での課税所得500万円の人が青色申告に切り替えるとどれくらい所得税が変わるのかについて比較していきます。
簡単に言えば、「白色申告から青色申告に切り替えたときの比較」ですね。

  • 定款認証費用(5万円)
  • 定款認証の印紙代(4万円) ※電子認証の場合は不要
  • 謄本交付料(2千円)
  • 登録免許税(資本金の0.7%。ただし株式会社の場合は最低15万円、合同会社の場合は最低6万円が必要)

まず前提として知っておいてほしいのが、以下の累進課税の税率と控除額です。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

(引用:国税庁_所得税の税率)

たとえば課税所得が500万円の場合、「330万円を超え、695万円以下」が当てはまります。つまり「税率が20%」、「控除額が427,500円」です。

実際に計算してみましょう。

500万円 × 0.2(20%) = 427,500円 = 572,500円

つまり課税所得500万円の場合に白色申告で支払わなければいけない所得税は「572,500円」ということです。

一方、青色申告で特別控除(65万円)を受ける場合、課税所得が500万円からさらに下がることになります。

500万円 ー 65万円 = 435万円

青色申告では、この「435万円」が課税所得となるわけですね。
この場合でも「330万円を超え、695万円以下」のゾーンが当てはまるため、「税率は20%」、「控除額は427,500円」です。

この条件で所得税を計算すると、以下のようになります。

435万円 × 0.2(20%) = 427,500円 = 442,500円

つまり白色申告時の課税所得500万円の場合に青色申告で支払わなければいけない所得税は「442,500円」ということですね。

ではここで、白色申告時と青色申告時の所得税を比較してみましょう。

白色申告 = 572,500円
青白申告 = 442,500円

いかがでしょうか?

白色申告と青色申告、その差は所得税だけでも実に「13万円」です。

実際はここからさらに住民税も10万円ほど安くなるので、合わせれば実質「23万円」ほどの差が出ることになります。

つまり白色申告時の課税所得が500万円であった場合、青色申告に切り替えるだけで税金が23万円も安くなるということです。

それこそ仮に、青色申告は面倒だからと10万円で税理士に依頼したとしても、白色申告時より13万円お得になるという計算になります。

ちなみに、課税所得が500万円よりかなり少ないという場合でも諦めないでください。

所得税を納めている人であれば最低でも、所得税、住民税を合わせて約10万円の節税効果があります。

このように実際に比べてみると、青色申告がかなりお得であるということがわかるのではないでしょうか。



青色申告で確定申告をするための事前手続き

前田税理士

それでは次に、青色申告で確定申告をするための事前手続きについて説明をしていきます

青色申告をするためには事前に手続きが必要なんですか?

前田税理士

そうなんです。その手続きには期限もありますので、できるだけ早く済ませておくことをおすすめします

というわけでここからは、青色申告で確定申告をするためしなければならない2つの事前手続きを説明していきます。

  1. 開業届を出す
  2. 青色申告承認申請書の提出

それでは1つずつ解説していきましょう。

青色申告の事前準備1.
開業届を出す

青色申告をするためには、税務署に開業届(正式には個人事業の開業・廃業等届書)を出していることが前提条件となります。

そもそも開業届は、事業所得、不動産所得、山林所得を生み出す事業を開始した場合、その日から1ヵ月以内に提出することが義務付けられているものです。
しかし実際は提出しなくても罰則がないため、事業をやりつつも出していないと言う人も多くいます。

もしあなたも出していないという場合は、まずはこの開業届を出さなければいけません。
たとえ事業の開始が数年前であっても開業届は出すことができますので、この機会に出すようにしましょう。

開業届を出すためには、届出書を作成したうえで納税地を所轄する税務署に持参するか、もしくは郵送する必要があります。

届出書については国税庁のHPからダウンロードできますので、そちらを参照してください。

国税庁_個人事業の開業届出・廃業届出等手続

青色申告の事前準備2.
青色申告承認申請書の提出

青色申告をするためには、青色申告承認申請書の提出が必要となります。
提出先は納税地を所轄する税務署になるので、持参するか郵送で送ってください。

申請書については国税庁のHPからダウンロードできます。

国税庁_所得税の青色申告承認申請手続

ちなみに青色申告承認申請書には以下の提出期限があります。
この期限を超えると青色申告をできるタイミングが遅くなってしまうので注意してください。

  • 青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで
  • 青色申告書による申告をしようとする年の1月16日以後に、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをしたりする場合には、その事業開始などの日から2ヵ月以内

もしこれから開業届を出すという場合には、開業届と青色申告承認申請書を合わせて提出すると良いでしょう。

青色申告で確定申告をする手順

前田税理士

ここからは実際に確定申告の時期が来たときに何をすれば良いのかを説明していきます

確定申告は例年、「2月16日~3月15日ころ」が申告期間になります。※世界情勢などの事情によって例外あり

この期間内に税務署に申告書類を提出し、所得税を支払うという流れは白色申告も青色申告も変わりません。

では何が変わるのかというと、提出が必要な書類です。

青色申告では、以下の書類を提出する必要があります。

  • 申告書B
  • 所得税青色申告決算書
  • 損益計算書(55万円以上の特別控除を受ける場合)
  • 貸借対照表(55万円以上の特別控除を受ける場合)

申告書B、所得税青色申告決算書の様式は以下からダウンロードできるので確認してみてください。

国税庁_確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等

あとはもちろん、「青色申告で受けられる特別控除」で説明した条件についても確認しておく必要があります。

白色申告に比べて青色申告では提出しなければいけない書類の数が増えますが、確定申告ソフトを使いこなせればあるていど手間は省けるはずです。

確定申告におすすめな会計ソフト

前田税理士

ここからは、確定申告に便利な会計ソフトを2つ紹介していきます

  1. freee(フリー)
  2. やよい

それではそれぞれ、詳しく紹介していきます。

確定申告におすすめな会計ソフト1.
freee(フリー)

freeeはサブスクリプション(月額1,980円)で使用できるクラウド型会計ソフトです。
会計ソフトの中では非常にポピュラーなものの1つで、愛用している個人事業主も多くいます。

freeeはスマホからの利便性にも力を入れているため、できるだけスマホで操作がしないという人にはおすすめですね。

freee公式HP

確定申告におすすめな会計ソフト2.
やよいの青色申告

やよいの青色申告は年間8,000円~12,000円で使用できる会計ソフトです。
インターフェイスがわかりやすく、初心者でも安心して使うことができます。

ただし、やよいの青色申告はWindows専用のソフトで、Mac版は販売されていないので注意してください。

やよいの青色申告公式HP



なるほど。これらの会計ソフトなら安心して使えるというわけですね。……んー、でも正直僕は、パソコンも数字も強くないから、会計ソフトがあってもやっぱり青色申告は難しい気がします。正直日々忙しくて帳簿をつける自信もないですし……

前田税理士

そういう場合は思い切って私たち税理士に相談するのもありですよ。青色申告をすることによって、税理士に依頼する料金と同じくらい税金が安くなるということもありますからね

結果的に損をしない形で、僕たちが確定申告に割かれる時間を失くすことができるということですね!

確定申告を税理士に任せる場合はどれくらい費用がかかる?

前田税理士

青色申告での確定申告を税理士に依頼する場合、だいたいの相場は以下のとおりです。ちなみに税理士への依頼費用は、記帳を自分で行うかどうか、年間売上の額、によって変動します

〇記帳を自分で行う場合

年間売上 税理士費用の相場
500万円未満 5万円~
500万円~1000万円未満 7万円~
1000万円~3000万円未満 10万円~
3000万円~5000万円未満 15万円~
5000万円以上 要相談

〇税理士に丸投げする場合

年間売上 税理士費用の相場
500万円未満 10万円~
500万円~1000万円未満 15万円~
1000万円~3000万円未満 20万円~
3000万円~5000万円未満 25万円~
5000万円以上 要相談

ただしこれらの相場は状況や税理士によって変動しますので、細かい見積もりが欲しい場合は1度税理士に相談してみると良いでしょう。

個人事業主が確定申告をしないとバレる?バレない?

ふと思ったんですが、売上が少ない場合は確定申告をしなくてもバレないんじゃないですか? 噂でよく聞くのは、年間売上が1,000万円以下なら税務調査は来ないとか……

前田税理士

その考え方はあきらかに間違いです! 税理士という立場から脱税を容認することはもちろんできませんし、そうでなくても《売上が少なければ税務調査が来ない》なんてことはあり得ません!

いや、もちろん冗談で言ったんですが……そっか、売上が少なくても税務調査は来るんですね

前田税理士

ええ、来るときは売上や収入に関係なく来ます。では、その辺りの話についてもわかりやすく説明いきましょう



確定申告は正しく行うことが当然ですし、不正をすればどれだけ売上が少なくてもバレる可能性はあります。

売上、もしくは課税所得が年間1,000万円以下なら税務調査は来ない、なんて噂もありますが、それも根拠のない話です。

そもそも税務調査をするかどうかは税務署に勤める1人1人の職員が判断していますので、どのような売上であっても、その職員の目に留まれば調査を受けることになります。

だからこそ個人事業主であれ法人であれ、常に正確な確定申告をしておかなければならないのです。

ただ実は、税務調査を受けやすい職種というものは存在しています。

それが一人親方など、建築業にかかわる職種です。

なぜ建築関係が税務調査を受けやすいのかというと、個人事業主が多い業界で、しかも確定申告を正確に行っていない人が多い傾向にあるからです。

つまり一人親方などの建築業に関わる職種に対しては、多くの税務署職員が「怪しい」という先入観を持っているということですね。

確定申告をしないとどうなる?

確定申告をせず、それが税務調査で指摘された場合、以下の3つのペナルティを受ける可能性があります。

  1. 無申告加算税
  2. 延滞税
  3. 重加算税

無申告加算税」は、期限内に申告がなかった場合に課せられるペナルティです。
本来納めなければいけなかった税金の額に対し、50万円までは15%、50万円を超える部分については20%の税金が追加でかかってきます。

延滞税」は、申告期限を過ぎてしまった場合に課せられるペナルティです。
延滞税は、本来納める税額に対し、定められた年率の日割りで計算されます。

納付期限から2ヵ月以内の納付なら「年率7.3%」か「特例基準割合+1%」のどちらか低い方が適用されます。
納付期限から2カ月を超えての納付だと、「年率14.6%」か「特例基準割合+7.3%」のどちらか低い方の適用です。

ちなみに特例基準割合は年によって変わりますが、近年はおおむね2%未満となっています。
令和2年の場合は「1.6%」です。

そして「重加算税」は、意図的に所得隠しや未申告などの不正を行った場合に課せられるペナルティです。
ペナルティの中でもっとも重いもので、本来納めるべき税額の35%または40%が追加で課せられることになります。

以上の3つが、確定申告にまつわる主なペナルティです。

あまり知られていませんが、これらのペナルティを受けてしまった場合、税金の取り立てはかなり厳しいです。

実際、ペナルティがあまりに高額で支払えなくなってしまう人も多くいます。

しかも税金は借金と違い、自己破産してもなくなりません。
つまり、「払えない」は通じないのです。

どれだけ財政的に厳しい状況でも、どれだけ高額な税金でも、税務署と話し合い、少しずつでもなんとか納税していかなければいけません。

そういう意味で多額の納税ペナルティを負うということは、借金を負うことよりもよっぽど辛いことであると言えるのです。

確定申告での不正は地獄の入り口にもなりかねない、ということですね。



【まとめ】確定申告は確実にやっておきましょう

今回は個人事業主向けに、確定申告の説明をしてきました。
要点をまとめると以下のとおりでしたね。

  • 確定申告は絶対に行うこと
  • 確定申告は青色申告でやるのが断然おすすめ
  • 青色申告の節税効果を思えば、確定申告を税理士に依頼するのもあり
  • 確定申告で不正がバレると重いペナルティを受ける
  • 建築関連、一人親方の人は目を付けられやすいので特に注意


確定申告は上手くやれば税金を10万円以上安くすることができるけど、不正や間違いがあればかなり重いペナルティが課せられる可能性もあるということですね

前田税理士

そのとおりです。確定申告は個人事業主にとって欠かせない義務であると言えます。しっかりと正確に、そのうえで損のない納税を心掛けましょう