
どうしてあえて一人親方の方向けに説明するんですか?


そうなんですか!?


実際、売上がまだ少ないから大丈夫とタカを括っていた一人親方が、突然の税務調査で痛い目をみる、なんてことも結構多いんです。
そのため確定申告を正確にしていないということは、一人親方にとって非常にデメリットが大きいと言えるんですね。
気づかないうちに悪気なく脱税をしてしまっているというケースも多そうですね……


だからこそ今回は、建設、建築業界に対する税務調査が多い理由に加え、一人親方向けに確定申告のやり方をくわしく解説していきます。
確定申告に不安がある一人親方さんは、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
ということで今回のテーマは、「一人親方向けの確定申告」です。
一人親方を始めとした建築、建設業を営んでいる個人事業主の方の確定申告には、以下のような悩みどころがあります。
- 建設、建築業界は税務調査が入りやすい
- 何を経費にできるかが分からない
- 人を雇った場合の処理がややこしい
そのため一人親方の中には、確定申告に不安を抱えている、もしくは申告ができていない、という人がたくさんいるんです。
そこで今回は一人親方向けに、確定申告をできるだけ簡単に、わかりやすく解説していきます。
上から順に読んでいただいても大丈夫ですし、気になるところを目次から選んで読んでいただいても大丈夫なので、ぜひ参考にしてみてください!
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目次
一人親方はとくに確定申告をきっちりする必要がある

どうして建設、建築業界だけそんなことになっているんですか?


その理由も併せて、まずは確定申告の必要性について説明をしていきますね。
建設、建築業界に税務調査がかなり入りやすい理由
冒頭から再三言っているとおり、建設、建築業界は税務調査がかなり入りやすい業界です。
ではなぜ建設、建築業界が目の敵のように税務調査に入られてしまうのかというと、以下のような理由があります。
- バブル時代に土建屋の不正がとても多かった
- 外注費にまつわる不正が横行している
ほかにも色々と理由はありますが、とくに大きいのがこの2つですね。
それでは1つずつ解説していきましょう。
バブル時代に土建屋の不正がとても多かった
建設、建築業界に税務調査が入りやすい理由として、「バブル期の不正が多い業界であった」というものが挙げられます。
実はその昔、高度経済成長期の裏側で、非常に多くの土建屋が大規模な不正を行っていたのです。
当時の土建屋はかなり儲かっていたので、なんとか税金の支払いを免れたかったわけですね。
税務署には当然、そういった過去の税務調査のデータも保管されています。
そのため建設、建築業界は令和になった今でも、税務調査官にマークされてしまっているんです。
過去の不正のために現在の一人親方が割を食うのは個人的にどうかと思うのですが、現状私たちにはどうすることもできないところですね^^;
実際に建設、建築業界では、建設会社に税務調査が入り、芋づる式に一人親方が納税の不備を指摘されてしまうという事例が大変多いです。
外注費にまつわる不正が横行している
もう1つ、「建設、建築業界では外注費にまつわる不正が横行している」という理由もあります。
建設、建築業界では、一次下請け、二次下請け、三次下請けというように、非常に多くの下請けがある構造になっていますよね?
この構造が複雑であるため、建設、建築業界では、本当は出していない外注費を経費に計上する不正がどうしてもあとを絶たないのです。
工事の外注費ですから、規模によっては大変大きな額になります。
そう考えると、税務官が必死になって粗を探すのもわからない話ではありません^^;
一人親方が確定申告をやらないとどうなるのか?
一人親方が確定申告をやらないと、以下のようなデメリットがあります。
- 建設業許可申請を受けることができなくなる
- 重いペナルティが課せられる
一人親方にとって、これらは非常に大きなマイナスです。
それでは1つずつ、詳細を説明していきましょう。
建設業許可を受けることができなくなる
確定申告をしていないと、建設業許可を受けることができなくなってしまいます。
建設業許可を取るには「経営業務の管理責任者としての経験を5年以上有している者」が必要になるのですが、この5年の経験を裏付けるものが確定申告書なのです。
建設業許可がなければ、軽微な工事以外を行うことができません。
軽微な工事とは、「1,500万円未満の工事、または延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事」です。
つまりそれなりに大きな仕事を請けようと思うと、どうしても建設業許可申請が必要になってくるということですね。
実際建設会社は、建設業許可申請を行うために経験年数が5年以上ある一人親方を欲することがあります。
つまり確定申告をしていないと、せっかくの大きな仕事のチャンスをふいにしてしまうかもしれないということです。
建設業許可についての詳しい解説は別記事で行っているので、そちらも併せて確認してみてください。
⇒建設業許可申請の手続きや要件をわかりやすく解説!裏ワザはある?
重いペナルティが課せられる
一定の利益があるにもかかわらず確定申告を行わなければ、もちろん「脱税」として取り扱われることになります。
そうなると場合に応じて、3つの重いペナルティを受けることになってしまうのです。
- 無申告加算税
- 延滞税
- 重加算税
まず「無申告加算税」は、確定申告をしなければいけない期限内(例年2月中旬~3月15日ころ)に申告をしなかった場合に受けるペナルティです。
本来納めなければいけなかった税金の額に対し、50万円までは15%、50万円を超える部分については20%の税金が追加でかかってきます。
次に「延滞税」は、申告期限を過ぎてしまった日数に対して加算されていくペナルティです。
本来納めなければいけなかった税額に対し、以下の計算で税額が加算されてしまいます。
納付期限から2ヵ月以内の納付 |
「年率7.3%」か「特例基準割合+1%」のどちらか低い方が適用 |
納付期限から2カ月を超えての納付 |
「年率14.6%」か「特例基準割合+7.3%」のどちらか低い方の適用 |
そして「重加算税」は、意図的な脱税を行った場合に課せられるペナルティです。
本来収めるべき税額の35%、または40%と、3つのペナルティの中で1番重いものとなります。
これら3つのペナルティは、金額が厳しいのはもちろん、取り立てもかなり厳しいです。
というのも税金の取り立ては借金と違い、たとえ自己破産しようとどうなろうと必ず払わなければいけません。
それこそ借金における自己破産のような救済措置がないため、脱税1回で人生が完全に狂ってしまう人もいます。
そんなことにならないよう、確定申告はきっちり正しく行うべきなのです。
【一人親方向け】確定申告のやり方


確定申告は青色申告が前提
確定申告には簡易的な「白色申告」と標準的な「青色申告」がありますが、間違いなく青色申告がおすすめです。
なぜなら青色申告には「特別控除」というものがあり、白色申告をするよりも支払う税金が大幅に少なくなるからです。
もちろん所得にもよりますが、所得税と住民税を合わせれば税金が20万円以上お得になるということもザラにあります。
だからこそ確定申告は、青色申告を前提として考えるべきなんです。
青色申告を行うためには、「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
この2つの提出タイミングによっては来年度まで青色申告ができなくなってしまうので、もし提出をしていないようならできるだけはやく提出するようにしてください。
また、青色申告を行うためにはほかにも以下のような条件があります。
- 不動産所得、もしくは事業所得を生む事業を営んでいること
- 帳簿に複式簿記で記帳していること
- 現金主義ではないこと
- 記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を添付して法定申告期限内に提出すること
少しややこしく感じるかもしれませんが、上手くすれば数十万円もの節税になることを考えれば、必ず確認しておきたいところです。
とくに今まで白色申告で適当にやっていたという場合は、非常に大きなメリットになるはずです。
詳細については別記事で詳しく解説しているので、そちらをご参照ください。

一年を通してやるべきこと
青色申告で特別控除を受けるためには、一年間を通し、以下の2つの書類を作成しなければいけません。
- 損益計算書
- 貸借対照表
損益計算書とは、事業における「収益」と「費用」と「利益」をまとめた書類のことです。
簡単に言うと、どれだけの「稼ぎ(売上)」があり、どれくらいの「経費」を使い、その結果「利益」がどれくらい残ったか、ということを1つ1つ細かく書いていくものですね。
一方、貸借対照表は「資産」、「負債」、「純資産」をまとめた書類のことです。
この3つは、「資産 = 負債 + 純資産」という関係性になります。
純粋な資産と負債によって得た資産を足すことで、手元にある資産になるという計算ですね。
青色申告でしっかり節税を行うためには、この損益計算書と貸借対照表の作成が必須です。
どちらもこまめに記帳しなければいけないため、経費の多い一人親方にとってはかなりめんどうな作業になってしまいます。
それこそ請求書や領収書(レシート)だけを残し、確定申告の時期に大慌てで記帳するという人もよく見かけますね^^;
そこで弊社、前田税理士事務所では、月々1万円で損益計算書と貸借対照表の記帳を丸投げすることができます。
請求書や領収書の写しを封筒に入れて送っていただければ、あとはすべて弊社の方でご対応させていただきますので、「記帳が大きな負担になる」、「各種帳簿の書き方がわからない」という場合はぜひご利用ください。
確定申告の時期にやるべきこと
例年、「2月の中旬~3/15」が確定申告を行う時期になります。
2020年のコロナ渦のような例外がない限り、基本的に確定申告はこの期限内に行わなければいけません。
青色申告で特別控除を受けるためには、以下の4つの書類を提出する必要があります。
- 申告書B
- 所得税青色申告決算書
- 損益計算書
- 貸借対照表
このうち「損益計算書」と「貸借対照表」は前述したとおりに作成したものを提出することになります。
「申告書B」と「所得税青色申告決算書」については書式が国税庁のHPからダウンロードできるので、以下のリンクをご参照ください。
この4つの書類をしっかりと作成し、税務署に持っていけば確定申告は完了となります。
あとは申告した分の納税を行えばいいだけですね。
そのほか、個人の確定申告についての詳しい情報は別記事でまとめていますので、併せてご確認ください。
仕事がきちんとある状況なら確定申告は税理士に委託した方が良い

どうして一人親方はその方がいいんですか?


一人親方の場合は以下のような理由から、確定申告は税理士に委託することをおすすめしています。
- 経費が多いため処理が大変
- 建設、建築業界は税務調査が入りやすい
- 確定申告を丸投げした方がコスパがいい
一人親方が確定申告を委託した方が良い理由としてまず挙げられるのが、経費の多さです。
一人親方をしていると、工具や交通費といった経費がかさむかと思います。
そのため、「損益計算書」と「貸借対照表」への記帳が非常にめんどうなものになってしまうのです。
あとは前述したとおり、業界の税務調査の入りやすさも確定申告を委託した方が良い大きな理由となります。
たとえ悪気がなかったとしても確定申告に不備があった場合は、容赦なく追徴課税を強いてくるのが税務署です。
そのため素人の知識で確定申告を行うより、最初からプロの税理士に委託する方が安心して納税を行うことができます。
あとは正直なところ、確定申告は税理士に丸投げしてしまった方がコスパが良いです。
PC操作に慣れていて会計ソフトを完璧に使いこなせ、かつ経費がほとんどないという場合を除けば、確定申告に時間を費やすより本業に時間を使った方が有意義であると言えます。
確定申告に時間を取られていらないストレスを感じるよりも、月々1万円~2万円の委託費を経費として使い、浮いた時間と労力を本業に使った方が結局得をするという一人親方の方は非常に多いのです。
とくに細かい作業やPC操作が好きではないという場合は、いっそ税理士に丸投げしてしまった方が、精神的にも金銭的にも楽になるのではないでしょうか。
ちなみに前田税理士事務所なら、記帳代行が月々1万円、確定申告の委託が月々1万円なので、合わせても月々2万円だけで、納税のための作業を完全に丸投げしていただくことができます。
プロによる節税効果や本業に使える時間が増えることを考えれば十分に元が取れる金額なので、ぜひ1度弊社にお問合せください。
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一人親方が経費にできるものとは?

一人親方が経費にできるのは、主に以下のようなものです。
- 工具やそれに伴う消耗品
- 業務に使うパソコン
- 通信費
- 交通費
- 家賃や光熱費の一部(自宅兼作業場の場合)
- 仕事の獲得に直接繋がる接待交際費
- 外注費や給与
どこまでが経費になるかという問題についてはケースバイケースであり、税務官によっても解釈が変わってくるため、どうしても悩む場合は1度税理士に相談することをおすすめします。
現在LINEによる無料相談を実施していますので、ぜひ気軽に質問をしてみてください^^
人を雇った場合は注意が必要

一人親方といえど、仕事の規模によっては人を雇うこともあるかと思います。
ただそのときは、「外注費」と「給与」の取り扱いについて注意しなければいけません。
どういうことかというと、人の雇い方によって経費計上が「外注費」になるか「給与」になるか変わってくるのです。
外注費の場合は全額をそのまま普通に経費として計上できますが、給与の場合は源泉徴収をする義務が生じてきます。
ではどのような場合に「給与」として計上されるのかというと、以下のような場合です。
- 拘束時間を設定していた場合
- 工具や材料をこちらから提供している場合
- 細かい作業指示を出していた場合
これらの条件に加え、長期的な契約(数か月単位)を結んでいた場合は、給与として計上しなければならなくなる可能性が高くなります。
「外注費」と「給与」では経費としての取り扱いが変わってくるので、人を雇う場合は注意しておいてください。
前田税理士事務所なら確定申告に加え建設業許可申請も丸投げできる

建設業許可は大きな仕事を請け負うためには必要なものですが、許可申請については正直かなり複雑です。
仮に不備があった場合、犯罪行為とみなされ、罰金刑や懲役刑に処されてしまう可能性も否定できません。
そのためできれば建設業許可申請については、プロの行政書士に委託することをおすすめします。
弊社「前田税理士事務所」では行政書士事務所を併設しており、新規の許可申請がおよそ15万円、更新が5万円というリーズナブルな価格で代行を請け負っています。
もし委託したい、もしくは許可申請についてわからないことがある、という場合は、まずは気軽にLINEでの無料相談をご利用ください。
【まとめ】一人親方なら確定申告はとくにきっちりやるべき

建設、建築業界にはとくに税務調査が入りやすいっていうのは意外でした。
だからこそ確定申告は、プロの手を借りてしっかり行った方が良いんですね!


さらに一人親方の業務内容では経費が多くかかることから、プロの視点で見直すことで、大きな節税ができる可能性もあります。
そうでなくても確定申告にかける時間を本業に使った方がコスパが良いという一人親方は多いはずです。
確定申告をめんどうだと感じているなら、ぜひ前田税理士事務所にご相談ください!
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